甘栗屋が教える、皮がむきづらい時の対処の仕方

トースターで2分 これ一択

結論だけ知りたい方はここで読むのやめていただいて大丈夫です。

ここから先は解説が続きますが、読まなくても損はありません。

栗屋さんのマメ知識です。


これは多くの方にお声をいただくのですが、甘栗を食べようと思ったら、
① 鬼皮(※1)が固すぎてツメが入らない。
② 鬼皮が柔らかすぎて凹んでしまい、ツメが入らない。
③ むけたと思ったら中の渋皮(※2)がへばりついていてむけない

最終的にイライラしてゴミ箱に叩きつけた!!

なんて言うお声を、それはそれは多くいただきます。
あれは確かにイライラしますよね。おっしゃる通りだと思います。
そんなイライラ問題ですが、それなりに原因があって、割と簡単にほぼ解決出来ます。
今回はそれについて、解説します。


※1 鬼皮:外側の硬めの皮
※2 渋皮:栗本体にへばりついている薄皮

なぜ鬼皮・渋皮がむけづらくなるのか

まず、②と③について、なぜそうなるのか解説します。

甘栗を、甘くて柔らかい状態に仕上げようとすると、なるべく中の水分を飛ばしすぎないように焼きます。(甘さと柔らかさは大体比例します。ここの解説はいずれまた)

そうすると、当然ですが鬼皮の内側は水分を多く保った状態となります。
この状態でお客様にお届けするのですが、こうすると、栗が冷める過程で水分が少しずつ飛んでいくわけですが、この時に渋皮が乾いていくと、渋皮が栗にひっついてしまいます。
そしてイザ食べようとすると、ひっついて渋皮が取れずに、イライラする、という流れになります。

鬼皮が柔らかくて凹んでしまうのも、水分を飛ばしすぎないようにする為に起きます。

強めの火で、水分を飛ばしてしまえばある程度この問題は解決するのですが、

水分を飛ばす≒甘みがつかない

ですので、この加減が難しいところになります。
その日の気温や湿度、季節ごとの栗の水分の含有量などを考慮しながら、火加減を常に調整しながら焼いているのですが、基本的には、

甘み>むきやすさ

という優先順位で製造していますので、むきやすさよりも、甘みにやや重点を置いています。
そのためどうしても、一定の確率でむきづらいものがお客様の元に届いてしまう、ということになります。
むきにくい方が甘くて美味しいことが多いのですが、なんとも頭を悩ませるところです…

そして①の、鬼皮が硬すぎる、ということに関しては、栗の成長の過程で硬くなってしまっているので、収穫後の保管や、製造とはあまり関係がありません。
そのため、製造業者としては、出来る事があまりないのが現状です。

むきづらい時の簡単な対処の仕方

さてそんな、甘栗イライラ問題ですが、ネットで検索してみるといくつか解決方法が出ています。

フライパンで乾煎りしたり、レンジでチンしたり、噛んで無理やり砕いたり、果ては、ビニールに入れて机に叩きつけていたり…

叩きつけるのは本当にみなさんやっているのかどうか分かりませんが、甘栗がかわいそうなので、やめてあげてください。

木守庵としても、乾煎りやレンチンを公式にはお伝えしてはいるのですが、
①乾煎りってテフロンをダメにしそう
②レンチンすると、途中で栗が爆発を起こしてレンジの中が大変なことに…

なんていうお声をいただきます。
でも実は、フライパンもレンジも使わずにこの問題は割と解決するんです。

それは
トースターで2分ほど温める
だけ

意外とトースターを持っていないご家庭があったり、トースターの機能のついた電子レンジだと、性能がマチマチなようなので、
公式には乾煎りかレンチンにしているのですが、是非試してみて下さい。今まで何だったんだろうって思ってもらえるハズです。

原因のところでもお話しましたが、特に渋皮は、冷めていく過程で栗にひっついていく訳ですが、それでもまだ水分が残っているんですね。
それを、トースターで焼いてあげるわけです。
そうすると、渋皮の余分な水分が飛んでパリパリになり、簡単にむけるようになるんです。


鬼皮の方もおおよそ同様で、まず柔らかすぎてツメが入らなかった場合のものは、こちらも余分な水分が飛ぶので、ツメが入りやすくなります。


鬼皮が硬い粒だけ、劇的にとは言えないのですが、それでも、焼く前よりかは、いくらかむきやすくなります。

やりすぎると、かえって栗本体の水分が飛んでしまって硬くなるので、加減は必要ですが、だいたい2分くらい焼くと、ほどよく栗が温まるので、オススメです。

是非試してみて下さい。

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